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歯並びを1本だけ治したいときに知っておくべきポイント

鏡を見たときに「この歯だけ少しズレている」「1本だけ出ているのが気になる」と感じたことはありませんか?歯並び全体ではなく“1本だけ”気になる場合、矯正治療を検討される患者様も少なくありません。部分的な矯正は短期間・低コストで見た目を整えられることがあり、近年注目を集めています。しかし、歯は1本ずつ独立しているように見えても、実際には全体で噛み合わせやバランスを保っています。

今回は、歯並びを1本だけ治したい方が知っておくべきポイントを、東船橋駅1分のスマイルデンタルクリニックがわかりやすく解説します。

歯並びを「1本だけ」治したい人は多い!

鏡を見る女性

見た目のわずかなズレが気になる方へ

鏡を見るたびに「この1本だけ前に出ている」「写真でこの歯だけ影になって見える」と気になる──そんなご相談は非常に多く寄せられます。特に前歯は、笑顔や表情の印象を大きく左右するため、わずかな傾きやねじれでも気づきやすい部位です。1本の歯の位置がわずかにずれているだけでも、口元全体のバランスが崩れたように見えることがあり、審美面の悩みとして矯正を検討される患者様が増えています。

矯正後の“後戻り”によるズレも多い

過去に矯正治療を受けたにもかかわらず、時間の経過とともに歯がわずかに戻ってしまう「後戻り」もよく見られます。リテーナー(保定装置)の使用を途中でやめてしまうと、歯を支える周囲の組織が元の位置に戻ろうとする力が働くため、特に前歯の1〜2本が重なったり、ねじれたりすることがあります。「以前ほど大きな矯正はしたくない」「目立たず短期間で整えたい」と考える方にとって、このような“部分的な後戻り矯正”は現実的な選択肢といえるでしょう。

見た目だけでなく、噛み合わせにも影響が

一見すると「見た目の問題だけ」と思われがちですが、歯の1本の位置ずれが噛み合わせや機能面に悪影響を及ぼすことも少なくありません。例えば、前歯がわずかに前方へ傾いていると、上下の歯が正しく接触せず、噛む力のバランスが崩れます。その結果、特定の歯に過剰な負担がかかり、歯茎の炎症や歯のすり減り、さらには顎の疲れにつながることもあります。つまり、1本の歯のズレを整える治療であっても、噛み合わせ全体を考慮した設計が欠かせません。見た目の改善だけでなく、長く健康に歯を使い続けるための治療計画が重要です。

1本だけ治す方法は?主な矯正の種類

ワイヤー矯正とマウスピース矯正

ワイヤー矯正による部分矯正

従来から行われているワイヤー矯正は、1本から数本といった限られた範囲の歯の移動にも対応できる、信頼性の高い矯正法です。ブラケット(小さな装置)とワイヤーを用いて、歯1本1本に的確な力をかけるため、微妙な角度や位置の調整がしやすいという大きな特徴があります。

ワイヤー矯正は、歯の動きをコントロールしやすく、比較的短期間で効果を実感できる点がメリットですが、一方で装置が金属製で目立ちやすいことがデメリットとして挙げられます。近年では、透明や白色のブラケットを用いることで審美性を高めたワイヤー矯正も登場しており、「できるだけ目立たずに確実に歯を動かしたい」という方に選ばれています。

マウスピース矯正(インビザラインGOなど)

透明なマウスピースを使って歯を動かすマウスピース矯正は、目立ちにくさと快適さから、近年急速に人気を集めている治療法です。なかでもインビザラインGOは、前歯の部分矯正に特化しており、「1本だけ歯並びを整えたい」「前歯の軽いねじれを改善したい」といった患者様に最適な選択肢といえます。

インビザラインGOの特徴は、透明なマウスピースを装着してもほとんど気づかれない自然さに加え、取り外しができる利便性です。食事や歯磨きの際には外せるため、日常生活への支障が少なく、衛生的にも優れています。さらに、治療前にデジタルシミュレーションで歯の動きや仕上がりを確認できるため、安心して治療を進められます。ただし、歯の移動量が大きい場合や、噛み合わせ全体に影響するケースでは、ワイヤー矯正との併用が必要になることもあります。症例ごとに最適な方法を選択することが大切です。

セラミック矯正(補綴による見た目の改善)

歯並びの乱れが軽度で、主に「見た目の形や角度」を整えたい場合には、セラミック治療によって審美的に改善する方法もあります。歯の表面をわずかに削り、セラミックの被せ物やラミネートベニアを装着することで、短期間で自然な美しさを実現できます。

矯正治療のように歯を動かすわけではないため、治療期間が短いのが大きな利点です。ただし、歯質を削る処置が必要になるため、歯をなるべく残したい方や歯茎・骨の状態に問題がある場合には、慎重な判断が求められます。

スマイルデンタルクリニックでは、噛み合わせや歯の健康状態をしっかりと確認したうえで、矯正と補綴(ほてつ:被せ物などの治療)のどちらが患者様に適しているかを丁寧にご提案しています。見た目の美しさと機能性の両立を目指した治療を心がけています。

歯並びは全体のバランスと噛み合わせが大切です

歯並びはバランスと噛み合わせ

「1本だけ」動かすことで他の歯に影響することも

歯は、1本だけで独立しているように見えても、実際には隣の歯と支え合いながら並んでいます。そのため、1本だけを動かすことで他の歯の位置や噛み合わせに影響を及ぼすこともあります。たとえば、前歯を内側に動かした結果、奥歯の噛み合わせが変わってしまうケースや、下の歯との当たり方が変化することがあります。

歯茎や骨の状態を無視した矯正は危険

歯を動かす際は、歯茎や歯を支える骨(歯槽骨)の状態を確認することが不可欠です。歯周病がある状態で無理に歯を動かすと、歯を支える骨が吸収し、歯がグラグラしてしまうこともあります。治療前には、必ずレントゲンやCT検査で歯槽骨の厚みや歯根の位置を確認し、医学的に適切な範囲で歯を動かすことが大切です。

部分矯正でも「全体の調和」が最優先

1本だけのズレであっても、最終的には全体の調和を考慮して治療計画を立てることが理想です。見た目だけを優先して無理に動かすと、噛み合わせが悪化したり、顎関節に負担がかかったりすることがあります。当院では、部分矯正をご希望の患者様にも、口腔内全体のバランスを評価し、必要に応じて全体的な噛み合わせの調整を行いながら、より自然で健康的な歯並びを目指しています。

まとめ

歯並びを1本だけ治したいというご相談は珍しくありません。しかし、歯は全体で噛み合わせを形成しており、1本の動きが全体に影響することもあります。スマイルデンタルクリニックでは、部分矯正やマウスピース矯正(インビザラインGO)など、患者様のご希望に合わせた方法を提案しています。見た目だけでなく、機能的にも健康的な歯並びを維持するために、まずは歯科医師にお気軽にご相談ください。

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院長 椎名 康雅

東京歯科大学で矯正治療認定医資格を取得し、同大学病院に勤務 平成15年にスマイルデンタルクリニックを開業 平成24年、スマイルデンタルクリニック矯正歯科/スマイルデンタルクリニック小児歯科を開業。 歯科医師のための勉強会「椎名塾」主宰。
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