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インビザラインブログ
話題の治療インビザライン矯正とオールオン4について
最近は、歯並びの治療を始める人が本当に増えています。とくにマウスピース型矯正のインビザラインは人気が高く、その快適性が日本人の矯正治療への敷居を大きく下げたことは間違いありません。そんな「インビザライン矯正」と「オールオン4」というまた別の治療法をインターネットで検索し、それぞれの特徴や違いなどを調べている人が多いようです。そこで今回は、話題の治療インビザライン矯正とオールオン4について、東船橋のスマイルデンタルクリニックがわかりやすく解説をします。
インビザライン矯正とは
まずはインビザライン矯正の概要をご説明します。
歯並びをきれいに整えるための治療(歯列矯正)
インビザライン矯正は、その名の通り歯並びを矯正するための治療法です。一般的には歯列矯正と呼ばれるもので、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)、叢生(受け口)といった歯並びの異常を専用の装置を使って改善します。そのためインビザライン矯正では、今ある歯をいかにきれいに並べるか、ということが主な目的となります。治療を通して歯の本数が増えることはありません。ただし、便宜抜歯という形で、歯の本数が減ることはあります。
マウスピース型の装置を使う
インビザライン矯正では、透明なポリウレタン製のマウスピースを1日20~22時間装着します。それを1~2週間ごとに交換していくと、歯が少しずつ移動していって、1~2年後には理想的な歯並びが構築されます。
インビザラインが人気の理由
インビザライン矯正の人気が高まっているのは、従来のワイヤー矯正と比較して、次のようなメリットが得られるからです。
- 装置が目立たず、矯正中であることに気づかれにくい
- 食事と歯磨きの時に装置を取り外せる
- マウスピースは薄くて滑らかなので装着感が良い
- 歯の移動に伴う痛みが少ない
- 装置が外れるなどのトラブルが少ない
- 通院頻度が低い(2ヵ月に1回程度)
- 歯の移動をデジタルシミュレーションできる
このようにインビザライン矯正は、従来法のデメリットのほとんどを解消できる治療法であることから、たくさんの人の人気を集めているといえます。東船橋のスマイルデンタルクリニックにも毎月多くの方がインビザライン矯正の相談に訪れます。
インプラント治療のオールオン4とは
次に、インビザライン矯正と一緒に検索されていることが多いオールオン4についてです。
失った歯を補う治療(補綴治療)
オールオン4は、外傷や虫歯、歯周病などが原因で歯を失った場合に必要となる治療です。専門的には補綴治療(ほてつちりょう)と呼ばれるもので、歯列内の欠損部にチタン製の人工歯根(インプラント)を埋め込んで土台とし、セラミック製の人工歯を装着します。通常のインプラント治療との違いは、人工歯を埋め込む本数と上部構造の形です。
対象となるのは歯が1本もない症例
オールオン4は、4本の人工歯根を顎に埋め込んで、総入れ歯の形をした上部構造を装着する治療法です。つまり、歯が1本もない無歯顎(むしがく)の状態をすべての歯がそろった状態に回復させることができるのです。そういう意味では一般的なインプラント治療とは少し異なりますが、補綴治療であることに変わりはありません。
ですから、本来はオールオン4と比較するのはインビザライン矯正ではなく、総入れ歯となるはずです。なぜなら無歯顎の状態では、インビザライン矯正することは不可能だからです。ただし、一般の人がインビザライン矯正とオールオン4を比較したくなる気持ちもある程度、理解できます。その理由は後段で解説します。
インビザライン矯正とオールオン4は目的が違います
インビザライン矯正は「今ある歯をきれいに並べ替える治療」で、オールオン4は「人工歯根を埋め込んで歯がある状態を作る治療」なので、そもそも治療目的と適応症が根本的に異なります。ただ、インビザライン矯正もオールオン4も美しい歯並びを目指すという点は共通しているといえるでしょう。
オールオン4は歯並びを1から作り直せる?
例えば、オールオン4は歯が1本もないところに歯根を埋め込んで1から歯並びを作り治すことができるので、自由度が極めて高いです。もともとの歯並びがガタガタで、インビザライン矯正でもきれいにすることができない場合でも、歯を全部抜いた上でオールオン4を適応すれば、理想的な歯並びに再構築できるかもしれません。これはどちらかというと「美容整形」に近い感覚での治療となります。
そういう観点でインビザライン矯正とオールオン4を比較して、適切な治療を施せる歯科クリニックを探している方もいらっしゃることでしょう。この点は患者さん自身の価値観によって捉え方も異なるため、一概に正しい・間違っていると断定することは難しいです。
インビザライン矯正とオールオン4は天秤にかけるべきではない?
歯科医師の観点からは、インビザライン矯正とオールオン4を天秤にかけることは推奨できません。なぜなら歯を抜いてしまうと、元に戻すことができないからです。インビザライン矯正でも健康な歯を抜くことがありますが、その目的は絶対的に不足しているスペースを作り出すためです。
オールオン4で抜歯をする場合は、歯が1本もない状態を作り出すことが目的となることから、歯を抜くことの意味がまったく異なります。この違いは患者さんのお口の健康にとって極めて深刻なデメリットをもたらしかねませんので、十分にご注意ください。
まとめ
今回は、マウスピース型矯正のインビザラインとオールオン4について、それぞれの特徴や両者の違いを東船橋のスマイルデンタルクリニックが解説しました。インビザライン矯正は歯並びをきれいに整える治療で、オールオン4は人工歯根を埋め込んで歯の欠損を回復させるインプラント治療です。
それぞれ目的と適応症がまったく異なる治療法ですが、「きれいな歯並びを作る」という観点では重なる部分があります。そのため美容整形のような感覚でオールオン4を捉えて、インビザライン矯正と比較検討している方もいらっしゃるのでしょう。一般的な歯科医師の感覚では、その治療をおすすめすることはできません。健康な歯が残っているのであれば、それを活かした矯正治療を行った方が今後の人生にもプラスになるかと思います。