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インビザラインブログ
インビザライン治療後につけるリテーナーの疑問にお答えします
マウスピース矯正のインビザラインでも、マウスピース(アライナー)による歯の移動が完了したら保定装置である「リテーナー」を装着します。リテーナーというと一般の方にはあまり馴染みがなく、「どのような目的で装着するのか」「どんな形をしているのか」など、さまざまな疑問をお持ちかと思います。今回はそんなインビザライン治療後につけるリテーナーの疑問に東船橋のスマイルデンタルクリニックがお答えします。
インビザライン治療後にリテーナーをつける理由
インビザラインは、透明なマウスピースを1日20~22時間装着し、1~2週間ごとに交換することで歯並びが改善されていく治療法です。その過程は、従来のワイヤー矯正とはまったく異なると言っても過言ではありませんが、治療後の状態に違いはありません。
歯を動かす動的治療が完了した直後は、歯が元の位置へと戻ろうとするとする力が働くため、リテーナーという保定装置で固定しなければならないのです。どのくらいの後戻りが生じるかはケースによって変わりますが、いずれにしても保定まで完了させない限り、理想的な歯並びを維持することはできません。
後戻りを防ぐリテーナーの種類について
ひと言でリテーナーと言っても、実はたくさんの種類があります。装着様式では、着脱式と固定式の2つに分けられ、前者に関しては、形態や設計にさまざまなバリエーションが存在しています。そこでまずは固定式のリテーナーからご紹介します。
【固定式のリテーナー】
固定式のリテーナーであるフィックスタイプリテーナーは、主に前歯の裏側に固定します。金属製のワイヤーをレジンで固定した簡易的な装置で、患者さんが着脱することはできません。設計は裏側矯正に近いものの、ブラケットは不要であることから、異物感は小さく、見た目も気になりません。基本的には、保定期間中ずっと固定することになります。
【着脱式のリテーナー】
患者さんがつけたり外したりするタイプのリテーナーで、ここでは代表的な3種類をご紹介します。
◎ベッグタイプリテーナー
抜歯矯正後に使われる標準的なリテーナーです。ワイヤーが歯列全体を取り囲むような設計となっています。
◎ホーレータイプリテーナー
非抜歯矯正後に使われる標準的なリテーナーです。ワイヤーは主に前歯部を取り囲む設計となっています。
◎マウスピースタイプリテーナー
樹脂で作られたリテーナーで、一見するとインビザラインのアライナーのように見えます。実際はアライナーよりも硬くて強度が高いです。ちなみにインビザラインには「ビベラリテーナー」という専用の保定装置があります。
リテーナーの使用方法について
着脱式のリテーナーは、患者さん自身で毎日着脱する必要があります。食事と歯磨きの際には必ず取り外してください。リテーナーを再装着する際には、お口と装置の両方をケアする必要があります。
リテーナーは、やわらかい歯ブラシや指先でやさしく水洗いしてください。熱湯による煮沸消毒は、プレートの部分が変形するためNGです。週に1~2回はマウスピースの洗浄剤による化学的な清掃も取り入れましょう。
リテーナーの装着時間および期間は、歯科医師の指示を厳守してください。固定式のリテーナーに関しては、使用上、注意すべきことはほとんどありません。汚れがたまりやすくなっていることから、日々のケアは徹底するようにしてください。
リテーナーについてよくある質問
最後に、リテーナーに関する質問にお答えします。
Q.リテーナーも痛みがありますか?
A.痛みを伴うことはほとんどありません。なぜならリテーナーは歯を動かすためのものではなく、動かした歯をその位置で固定するためのものだからです。装着を始めた直後は、装置による違和感が現れますが、数日から1週間程度で慣れる患者さんがほとんどです。万が一、リテーナーで強い痛みが生じる場合は、すぐ主治医に相談しましょう。リテーナーの形態を修正することで、症状の改善が見込めます。
Q.1日何時間つける必要がありますか?
A.最初は食事と歯磨き以外の時間にリテーナーを装着しなければなりません。この点はインビザラインのマウスピースと同じです。保定を始めて3~6ヵ月くらい経過すると、歯並びも徐々に安定してくることから、1日の装着時間を徐々に減らしていきます。最終的には、就寝中のみの装着で良くなります。
Q.どのくらいの期間つける必要がありますか?
A.歯を動かすのに要した期間と同程度、リテーナーを装着することになります。例えば、インビザラインのマウスピースで歯を動かすのに1年半かかった場合は、リテーナーによる保定も1年半継続します。具体的な保定期間は患者さんによって変わるため、詳細は主治医にお問い合わせください。
Q.リテーナーをつけないとどうなりますか?
A.歯の後戻りが生じます。矯正装置で動かした歯はまだ不安定な状態にあるため、リテーナーで固定する必要があります。リテーナーの装着を自己判断でやめることはもちろん、1日の装着時間を守れないことでも後戻りは生じます。長い時間と高いお金をかけて手に入れた理想的な歯並びを失わないためにも、リテーナーまでしっかりやり遂げましょう。
Q.リテーナー中も歯医者に通う必要がありますか?
A.数ヵ月に1回の通院が必要となります。基本的には経過を見るための通院なので、矯正治療を受けていた時ほど高頻度に通う必要はありません。一般的には3~6ヵ月に1回くらいで、保定の後半になると通院頻度はさらに低くなります。
Q.リテーナーもマウスピースのように交換しますか?
A.リテーナーの種類によって、交換の必要性が変わります。インビザライン専用のビベラリテーナーは、3枚セットで作成され、約3ヵ月に1回の間隔で新しいものへと交換します。3枚目のリテーナーはそれ以降、保定が終わるまで交換せずに使い続けます。一般的なリテーナーを使用する場合は交換の必要性がありません。基本的には同じものを保定が終わるまで使い続けます。
まとめ
今回は、矯正治療後につけるリテーナーの疑問にお答えしました。リテーナーは、インビザライン治療後の後戻りを防ぐ上で必須となる装置なので、主治医の指示通りに装着してください。その他にもインビザライン治療後のリテーナーに関する疑問や不安がある方は、いつでもお気軽に東船橋のスマイルデンタルクリニックまでご相談ください。一つひとつわかりやすくお答えします。