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インビザラインブログ
マウスピース矯正の向き・不向きを東船橋の歯科医が解説
一昔前までは、歯並びの治療は「ワイヤー矯正」で行うのが当然だったのですが、昨今はインビザラインの普及によって「マウスピース矯正」という選択肢も加わりました。これから歯列矯正を始める予定の方は、この2つの矯正法で迷っていることかと思います。とりわけ歯並びを快適に治せるマウスピース矯正に惹かれていることでしょう。
今回はそんなマウスピース矯正の向き・不向きについて、東船橋の歯科医がわかりやすく解説します。
マウスピース矯正の特徴
透明なマウスピースを使う
インビザラインに代表されるマウスピース矯正の最大の特徴は、「透明なマウスピース」を使う点です。歯を移動させるためには、金属製のブラケットやワイヤーといった頑丈な装置が不可欠なように思われがちですが、厚さが0.5mm程度しかない薄型のポリウレタン製マウスピースでも歯並びを美しくすることができるのです。装置が目立たず、周囲に気付かれずに歯列矯正を進めていけるのがマウスピース矯正の利点でもあります。
装置は取り外せる
マウスピース矯正の装置は、患者さまご自身で取り外せます。食事は普段通りに行えるため、食生活に制限はかかりません。歯磨きの時もマウスピースを取り外せるので、装置に汚れがたまったり、ケアに時間がかかったりするようなことはありません。また、大切なイベントの際には、装置を取り外した状態でお過ごしいただけます。こうした柔軟な対応は、従来のワイヤー矯正では不可能です。
矯正に伴う痛みや不快感が少ない
矯正治療で皆さんが不安になる点としては「痛み」が挙げられます。お口の中はとてもデリケートなので、ちょっとした痛みでも気になってしまう方も少なくないです。それが数年にわたって続くようであれば、矯正そのものに不安を感じてしまいますよね。その点もマウスピース矯正(インビザライン)は優秀です。
インビザラインのマウスピース(アライナー)で動かせる歯の距離は、1枚で0.25mm程度です。1回の調整で0.5mm程度歯を動かすワイヤー矯正と比較すると、歯にかかる力はとても弱く、歯の移動に伴う痛みも少なくなるのです。
また、マウスピース矯正の装置は歯列にぴったりとフィットするような形をしており、表面も滑らかです。インビザラインであれば、歯の部分だけ覆うような設計となっており、お口の粘膜を傷付けたり、圧迫したりすることはないのです。これもまたマウスピース矯正が快適と称賛されるひとつの理由でもあります。
マウスピース矯正が向いている人
マウスピース矯正は、ほとんどの歯並びに適応できますが、その他の治療法と同様、向き・不向きがあります。次に挙げるような人は、マウスピース矯正に向いているといえるでしょう。
抜歯が不要で歯並びの乱れが軽度な人
矯正治療を始める際、最初の大きな分かれ道となるのが「抜歯」の要否です。顎の骨が小さいなどの理由でスペースが足りない場合は、抜歯の必要性が高まるのですが、スペースが足りていて、歯並びの乱れもそれほど大きくない場合はマウスピース矯正が向いているといえます。
マウスピース矯正は、歯列全体にマウスピースを被せることで歯を移動させるシステムなので、ワイヤー矯正のような三次元的な歯の移動がそれほど得意ではありません。一方で、歯並びの乱れが軽度であれば、ワイヤー矯正以上に効率よく歯を移動できます。
抜歯ありでも歯の移動距離が少ない人
マウスピース矯正は、「抜歯症例=適応外」となるわけではありません。抜歯をしても歯を動かす距離が比較的少なければ、インビザラインをはじめとしたマウスピース矯正でしっかり治せます。実際、東船橋のスマイルデンタルクリニックでも抜歯ありでインビザライン矯正をすることもありますので、不安な方は一度ご相談ください。
マウスピースの装着・ケアをきちんと行える人
マウスピース矯正は、装置をいつでも取り外せるというメリットがある反面、装置を着けなければ歯が動かないというデメリットも伴います。また、装置のケアを怠ると、虫歯や歯周病の発症、マウスピースの破損につながることもあるため、十分に注意しなければなりません。そうしたマウスピースの装着(1日20~22時間)やケアをきちんと行える人はマウスピース矯正に向いているといえます。
矯正中もできるだけ制限なく過ごしたい人
歯並びの治療を行うのであれば、日常生活における制限をゼロにすることはできません。ただ、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を比較した場合、日常生活における制限には大きな差が見られます。装置の装着感、食事・歯磨きのしやすさ、見た目の美しさ、歯の移動に伴う痛みなどで両者を比較した場合、そのすべてでマウスピース矯正に軍配が上がります。ですから、矯正中もできるだけ快適に過ごしたい、制限を受けたくないという方にはマウスピース矯正が向いているといえます。
マウスピース矯正が向いてない人
次に挙げるような人は、マウスピース矯正が向いていないといえます。
抜歯が必要で歯の移動距離が多い人
たくさんの抜歯を行って、歯を大きく動かさなければならないような場合は、マウスピース矯正は向いていないといえます。歯を大きく移動するのが得意なワイヤー矯正が第一選択となりやすいです。
骨格的な異常で歯並びが悪くなっている人
顎の骨が大きすぎたり、もしくは小さすぎたりすることで歯並びが悪くなっている場合は、マウスピース矯正は向いていないといえます。そうしたケースでは外科矯正の前後でワイヤー矯正を行ったり、場合によってはマウスピース矯正を併用したりすることもあります。いずれにせよマウスピース矯正単独で治すことは非常に難しいです。
マウスピースの装着・ケアを管理できない人
マウスピースを毎日20~22時間装着することやマウスピースを適切に取り扱うことが難しい人は、マウスピース矯正に向いていないといえます。歯科医師が歯列に装置を固定するワイヤー矯正の方が向いているといえます。
【マウスピース矯正が向いていない人へ】
他院でマウスピース矯正は難しいと診断された人やご自身でマウスピース矯正が向いていないと感じた人は、東船橋のスマイルデンタルクリニックまでご相談ください。当院では、歯列の裏側に装置を設置する「裏側矯正」や白いワイヤーと透明なブラケットを用いた審美性の高いワイヤー矯正にも対応しております。もちろん、標準的なワイヤー矯正も行えますので、患者さまに複数の選択肢をご提案できます。
まとめ
今回は、マウスピース矯正の向き・不向きについて解説しました。マウスピース矯正も万能な治療法ではないため、人によって向き・不向きがあります。それをしっかり見極めた上で、ご自身にとって最善といえる矯正法を選択することが大切です。